アイクリス―買収・IPOを検討―

感染症治療薬の開発を手がける独アイクリス(ブッパータール)は22日、同社が創薬し米メルク(MSD)が製品化した新薬「プレビミス(Prevymis)」の独発売に合わせて開催した催しで、買収を検討していることを明らかにした。新薬の開発でシナジー効果を引き出すために前臨床段階の開発を手がける同業を買収したいと考えており、資金調達の選択肢として新規株式公開(IPO)を視野に入れている。

アイクリスは製薬大手バイエルからのスピンオフとして2006年に設立された企業。プレビミスは約2人に1人が感染するサイトメガロウイルス(CMV)の発症予防・治療薬で、同社は臨床2b段階を完了した2012年にMSDとライセンス契約を締結した。契約一時金1億1,000万ユーロと商品化の段階に応じたマイルストーンを受け取った。売り上げの一定比率を取得することになっている。

CMVは通常、発症しないものの、手術などで免疫力が落ちると発症しやすくなる。プレビミスこれまでに、骨髄移植患者への処方で米・欧州販売が認可されている。

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