ハイテク大手の独ボッシュと再保険世界最大手のミュンヘン再保険は22日、事業のIoT化に取り組むメーカーの支援に向けて協業すると発表した。IoT化を目指す中小メーカーが直面する技術や資金面での問題をクリアできるよう後押ししていく。IoT分野でハイテク企業と再保険会社が協業するのは初めてという。
工場で用いる機械をネットワーク化し、つながる工場を実現したいと考える企業は多い。だが、中小企業ではそうした考えを実行するための人材や資金が不足していることが多く、製造業のIoT化の障害となっている。ボッシュのシュテファン・ハルトゥング取締役(生産コーディネート担当)は「極めて多くの企業が財務リスクや複雑なプロセスに不安を持つがゆえにネット化された生産への参入を忌避している」と明言した。
両社はこうした問題を解決するために、中小企業が必要とする支援を一手に提供していく。ボッシュはハードウエア、ソフトウエア、サービスの分野、ミュンヘン再保険はリスク・資本管理分野のノウハウをそれぞれ持ち寄り、顧客企業のIoT化プロジェクトを包括的に支援。機械などからデータを得て有効に活用する方法についてもアドバイスする。
同サービスの本格化に向けて両社は現在、顧客企業との間でパイロットプロジェクトを行っている。