バイエル―営業減益に、農薬事業の不振など響く―

ライフサイエンス大手の独バイエル(レバークーゼン)が2月28日発表した2017年12月期の営業利益(EBITDA、特別費を除く)は前期比0.3%減の92億8,800万ユーロ(非継続事業を除く)へと落ち込んだ。農薬と一般医薬品部門の不振が響いた格好で、売上高(同)も0.2%増の350億1,500万ユーロにとどまった。

純利益(非継続事業を含む)は61.9%増の73億3,600万ユーロと大幅に伸びた。化学素材子会社コベストロの株式を約36%売却して連結対象から外したほか、手元に残る同保有株の評価額を引き上げたことで水準が押し上げられた。米国の法人税改革に絡んでは評価損4億5,500万ユーロを計上した。

EBITDA(特別費を除く)を部門別でみると、農業化学は15.6%減の20億4,300万ユーロと大きく落ち込んだ。ブラジルの販売提携先から売れ残った農薬を大量に引き取ったことで、利益が強く圧迫された。

一般医薬品部門の同利益も12.8%減の12億3,100万ユーロと振るわなかった。米国販売の不振のほか、皮膚病治療薬の2ブランドが中国当局によって一般医薬品から処方薬へと分類替えされたことが響いた。主力の処方薬部門は8.8%増の57億1,100万ユーロ、動物薬部門も9.2%増の3億8,100万ユーロと好調だった。

18年12月期は為替変動の影響を除いたベースで売上高とEBITDA(同)がともに横ばいにとどまるとの予測を示した。買収予定の米農薬・種子大手モンサントはこの予測に含まれていない。

モンサントの買収手続きについては第2四半期(4~6月)に完了するとの見通しを明らかにした。審査を行う世界の約30の当局のうち、これまでに半数以上から承認を受けたとしている。メディア報道によると、欧州連合(EU)の欧州委員会は同買収計画を3月にも承認するもようだ。

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