電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)は20日、交通ソフト開発の西エイムサン(Aimsun)を完全買収すると発表した。データを活用したデジタル交通ソリューションの分野で競争力を強化する狙い。買収金額は公表しないことで合意した。4月の買収手続き完了を見込む。
エイムサンは交通量を道路設計時点で予測するシミュレーションソフトや、リアルタイムのデータを用いて渋滞の予測・緩和を図るソフトを開発。世界79カ国に計4,600の顧客を持つ。
大都市では今後、カーシェアリングやライドシェア、自動運転車など公共交通機関以外の移動手段の利用拡大が予想される。これに伴い発生する新たな問題を交通計画当局や交通事業者はデータ利用の交通ソリューションを通して解決していくと予想されることから、シーメンスは同分野の事業を強化しており、先ごろは交通・輸送・物流向けソフト開発のハーコン(HaCon)を買収した。
エイムサンはシーメンスの傘下に入ることで、中欧、新興国市場事業を強化する考えだ。シーメンスの100%子会社となるものの、法的な自立性は維持する。