複合企業の独ティッセンクルップ(エッセン)は23日、中国南部の中山にエレベーターのテストタワーを開設した。高速運転とロープを用いない同社独自の「MULTI」システムの研究・開発(R&D)を行う。同国では都市の急速な発達を背景にエレベーターの需要が大きく伸びていることから、現地にR&D拠点を開設した。MULTIシステムを備えた高速テストタワーは独ロットヴァイルに次いで2カ所目。
8億1,000万人民元(1億300万ユーロ)を投じて31階建てのテストタワーを建設した。高さは世界最高クラスの248メートル。計13のシャフトを備えている。
MULTIではリニアモーターを利用してかごを移動させる。ロープがないため1つのシャフト内を複数のかごが同時に移動できる。また、垂直移動に加え、水平移動も可能だ。かごは1秒当たり18メートル移動できる。
中国のエレベーター需要は年50万台と多い。同社のエレベーター事業の売り上げに占める同国の割合は昨年17.8%に上った。