スイス製薬大手のノバルティス(バーゼル)は27日、英同業グラクソ・スミスクライン(GSK)と共同で設立した一般医薬品分野の合弁会社から資本を全面的に引き上げると発表した。経営資源を中核事業に絞り込む考えで、同合弁の資本36.5%を現金130億ドルでGSKに譲渡する。第2四半期(4~6月)の売却手続き完了を見込む。
ノバルティスは2014年、大規模な事業再編策として、GSKから抗がん剤事業を最大160億ドルで取得する代わりに、ワクチン事業(インフルエンザ用ワクチンを除く)を71億ドルでGSKに売却することで合意。さらに両社の大衆薬事業を統合し、合弁会社(出資比率GSK63.5%、ノバルティス36.5%)を設立することを取り決めた。
同合弁は当局の承認を経て15年に成立した。ノバルティスは同合弁の資本36.5%をGSKに売却する権利が今月末に失効することから、失効前に行使した。売却収入を買収に投じる考えだ。