ユーロ5対応ディーゼル車、30~50%引きはザラ

欧州排ガス基準「ユーロ5」に対応した中古ディーゼル車は現在、最大50%割り引かないと販売できないケースが多いことが、自動車販売・修理業界団体ZDKがディーラーを対象に実施した緊急アンケート調査で分かった。ユーロ5以下のディーゼル車の市内走行禁止を認める判決を最高裁の連邦行政裁判所(BVerwG)が2月に下したことを受けて、需要が激減しているためだ。ZDKは政府に早急な対策を求めるとともに、自動車メーカーに支援を要求した。

アンケート結果によると、ユーロ5対応の中古ディーゼル車をBVerwG判決後も割引なしで販売できるとの回答は1.06%にとどまった。「10~30%割り引けば販売できる」は32.06%、「30~50%割り引けば販売できる」は34.19%と多く、「販売できなくなった」も10.63%と少なくない。「窒素酸化物(NOx)の排出量を削減するためのハードウエアを新たに取り付ければ販売できる」も22.05%に上っており、状況は極めて悪い。

ZDKのトーマス・ペックルーン副会長は「ハードウエアの取り付け費用をメーカーと輸入事業者が負担するのは道徳的な義務だ」と発言。その実現に向けてメーカーと協議するとしたアンドレアス・ショイアー新交通相に対し話し合いを早急に行うよう促した。

メーカーと輸入事業者に求める支援策についての質問では「NOxの排出を削減するハードの取り付け」との回答が最も多く、43.07%に達した。これに「リース車(ユーロ5対応ディーゼル車)の残存価値低下リスクをこれまで以上に引き受ける」が40.61%で続いた。「購入した車両が走行禁止の対象となった場合は返品できる権利を顧客に認め、安心して車両を購入できるようにする」は16.32%だった。(下のグラフ参照)

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