ドイツ連邦カルテル庁は21日、貨物車レンタル欧州最大手の独VTGレール・アセットが仏同業CITレール・ホールディングスを吸収合併する計画を条件付きで承認すると発表した。買収実施前にCITの事業の主要部分を独立の第三者企業に売却するよう命じている。
VTGは昨年7月、CITを約7億8,000万ユーロで買収するとともに、貨物車の調達に最大1億4,000万ユーロを投じる計画を発表した。VTGはおよそ8万台の車両を保有する欧州市場の最大手であることから、カルテル庁は厳しく審査。CITの独・ルクセンブルク事業、およびCITが保有する車両の一部を第三者企業に売却することを承認の条件とした。これらの措置により、大手顧客を対象とするCITの中核事業の主要部分が外部企業に譲渡されることになる。
カルテル庁のアンドレアス・ムント長官は、CITが欧州貨物車レンタル市場で数少ない中堅企業であることを指摘。同社の全面買収を認めればVTGの市場支配的な地位がもたらされることになると述べ、今回の部分売却命令の理由を説明した。
CITは「ナッコ(Nacco)」ブランドで貨物車レンタル事業を展開しており、保有車両数は約1万4,000台。売上高はおよそ1億2,000万ユーロに上る。VTGの売上高は昨年、10億ユーロ強に上った。