自動車大手の独BMWは11日、本社所在地ミュンヘンの北方およそ20キロのウンターシュライスハイムに建設した自動運転開発拠点で開所式を行った。同社は自動運転車の量産を2021年までに開始することを目指しており、同センターの開設により開発を加速する考えだ。クラウス・フレーリヒ取締役(開発担当)は米ウーバーの自動運転テストで死亡事故が起きたことを踏まえ、「課題は極めて大きい」と述べながらも、自動運転の実現により交通事故の減少、渋滞緩和、新しい事業モデルの開発といった成果を得られるとして、同センターが果たす役割に期待感を示した。
「自動運転キャンパス」と命名された同拠点は運転アシストシステムと自動運転分野の開発業務を統合するために開設された。床面積は2万3,000平方メートルで、すでに研究開発要員およそ1,000人が勤務。近い将来に1,800人へと増員される見通しだ。
BMWは自動運転の実現に向けて米インテル、イスラエルのモービルアイなどと開発連合を組んでいる。単独では巨大な課題に対応できないためで、自動運転キャンパスでは同連合に加盟する他社の要員も勤務する。書き上げたばかりのソフトウエアのコードを車両ですぐにテストできるなど柔軟に活動できる環境が備わっている。
開発を迅速かつ効率的に進めることを重視していることから、管理職は一般の研究開発者が働くオープンスペースのフロアでともに勤務し、共同作業や会話を積極的に行う。