独化学労組IG BCEは12日、今夏に始まる次期労使交渉の要求方針を固めた。6%の賃金引き上げや勤務時間の柔軟化を柱としている。組合内での今後の議論を経て最終方針を決定する。
ラルフ・シコルスキー交渉委員長は好景気を背景に化学・製薬業界の業績が良好なうえ、今後の見通しも明るいと指摘。「好業績への被用者の貢献は報われるべきだ」と強調した。新労使協定の期間については1年を要求する方向。このほか、追加有給休暇手当の額を1時間当たり20.45ユーロから約2倍の40ユーロへと引き上げることを求める意向だ。
労働時間に関しては各被用者の要望に合わせて柔軟化できるルールの取り決めを要求する。子育てや介護を踏まえたもので、企業は経営の都合で被用者に柔軟性を求めるだけでなく、被用者の必要に応じた柔軟性も認めるべきだと主張している。
化学雇用者団体は被用者のニーズに基づく労働時間の柔軟化に理解を示している。ただ、柔軟化が労働時間の短縮につながることには否定的だ。賃金に関しては小幅な引き上げにとどめ、好景気のパイの配分は一時金を通して実施すべきだとの立場を取っている。