ドイツ連邦統計局が20日発表した3月の生産者物価指数は前年同月を1.9%上回り、上げ幅は前月の同1.8%から0.1ポイント拡大した。上昇率の拡大は6カ月ぶり。エネルギーは2.4%増で、エネルギーを除いた生産者物価の上げ幅は1.7%だった。
生産者物価の最大の押し上げ要因は中間財で、2.3%の伸びを記録した。金属が4.0%上昇。圧延鋼では上げ幅が6.4%、鉄筋では同17.4%に上った。化学原料は1.8%増だった。中間財で価格が下落したのは貴金属(-9.3%)など一部の製品に限られる。
エネルギーでは電力が5.5%増と大きく上昇した。特別契約顧客向けは2.8%増だった。
石油製品は1.3%の小幅な上昇にとどまった。灯油が7.4%、航空機燃料(ケロシン)が6.5%の伸びを記録したのに対し、液化石油ガスは8.3%下落。ガソリンも1.5%低下した。軽油は1.9%増だった。
天然ガスは0.2%増で、産業向けは1.7%上昇、一般世帯向けは1.4%下落した。
非耐久消費財は1.4%増となり、上げ幅は横ばいだった。食料品は1.8%増で、牛乳は8.3%増、バターは19.4%増と高い伸びを記録した。砂糖は23.4%減とこれまでに引き続き大きく落ち込んだ。欧州連合(EU)の砂糖生産割当制度が昨年9月末で廃止されたことが背景にある。
耐久消費財は1.3%、投資財は1.2%の上昇だった。
3月の生産者物価指数は前月比では0.1%増となり、2カ月ぶりに上昇した。部門別の内訳は投資財と非耐久消費財が0.2%増、中間財と耐久消費財が0.1%増、エネルギーが横ばいだった。生産者物価はエネルギーを除いたベースでは変動がなかった。