ドイツのユリア・クレックナー新農相(キリスト教民主同盟=CDU)は17日、除草剤「グリホサート」の使用を大幅に制限する考えを明らかにした。同除草剤に対しては世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関が発がん性の恐れがあるとする報告書を発表し、国内で懸念が強まっていることから、与党は3月に成立した政権協定で使用制限を取り決めている。使用禁止を求める声もあるものの、同農相は欧州連合(EU)で使用が認められている同剤を全面禁止することはEU法に反すると判断し、大幅制限方針を固めた。当該政令の原案を近く、閣議で提示する意向だ。
グリホサートは米モンサントが開発した除草剤。農業や園芸で幅広く利用されている。
クレックナー農相は今後、庭、公園、自然保護地区などでの使用を原則的に禁止する意向だ。耕地については作物全滅の恐れがあるなど例外的なケースでのみ、当局の許可を受けて使用できるようにする。また、鉄道路線の除草に用いることも当面、許容する。
スヴェンヤ・シュルツェ新環境相は2021年までに全面禁止とすることを求めている。クレックナー農相は禁止要求に理解を示しながらも、EU法に違反するわけにはいかないとして、大幅制限方針に理解を求めた。