JX金属は17日、独金属素材製造エイチ・シー・スタルクの子会社エイチ・シー・スタルク・タンタルム・アンド・ニオビウム(HCS TaNb)を国際協力銀行と共同買収すると発表した。当初は単独での買収を予定していたが、国際協力銀が日本企業の海外展開を支援する目的で「海外展開支援出資ファシリティ」を新設したことから、これを活用することにした。
JX金属は2月27日、HCS TaNbの完全買収計画を発表。国際協力銀も同日、海外展開支援出資ファシリティを創設した。
同ファシリティは、2013年に閣議決定された「日本経済再生に向けた緊急経済対策」を踏まえて設置されたもので、海外M&Aやインフラ、資源分野への出資を通して中堅・中小企業を含む日本企業の海外展開を積極的に支援することを目的としている。
HCS TaNbの買収では、JX金属が同社に100%出資する目的で設立したJXメタルズ・ドイチュラント(JXMD)に、国際協力銀が議決権のない種類株式の取得を通して参画することを取り決めた。同ファシリティを通して国際協力銀が金属事業に直接出資するのは今回が初めてという。国際協力銀の出資比率は明らかにされていない。