鉄鋼大手の独ティッセンクルップ(エッセン)は19日、インドに方向性電磁鋼工場を開設したと発表した。同国で方向性電磁鋼を生産するのは同社が初めて。再生可能エネルギー電力の増加を受けて送電分野で需要が高まっていることから現地生産に踏み切った。
同国西部のナーシクに年産能力3万5,000トンの工場を開設した。すでに受注があり、そのうち3分の2をインド国内の顧客が占める。雇用規模は500人。
方向性電磁鋼は特定の方向へと磁化するように磁気特性を偏らせた電磁鋼で、主に変圧器に使われる。発電量が天候に大きく左右される再生エネ電力の利用が増えると、電力の需給バランスが崩れ電圧変動リスクが大きくなる。このため電圧を調整する変圧器はこれまで以上に大きな役割を果たすことになる。