コンチネンタル―パワートレイン部門の分社化を視野に―

自動車部品大手の独コンチネンタル(ハノーバー)が、数カ月前から検討中の組織再編の一環としてパワートレイン部門の分社化を視野に入れている。パワートレイン市場は車両の電動化を受けて急速に変化していることから、同部門に経営の裁量を与えること顧客ニーズや市場動向に機敏に対応できるようにする考えだ。エルマー・デーゲンハルト社長が4月27日の株主総会で明らかにした。組織再編計画は年央にも監査役会に提示する見通し。

コンチネンタルは1月、組織再編を検討していることを明らかにした。競争激化や必要投資額の拡大を背景に自動車業界で組織再編の機運が高まっていることを受けて、相互関連の薄い事業を抱える同社への市場と株主の圧力が強くなっているためだ。

エンジン車と電動車ではパワートレインが大きく異なる。メーカーは電動車の普及のスピードなどをにらみながら経営資源の割り振りを行うなど難しい判断を迫られることになる。こうした状況下で経営のかじを切るためには身軽さが必要なことから、パワートレイン部門の分社化が視野に入ってきた。

デーゲンハルト社長は今回、現在検討中の電池セル生産事業への参入についても言及。参入するかどうかの決定は2020年以降になるとの見方を示した。競争力の高い日韓中メーカーに対抗できる技術を獲得できる時期については25年以降になると述べた。リチウムイオン電池に続く次世代電池を念頭に置いた発言とみられる。

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