ドイツ機械工業連盟(VDMA)が4月24日発表した独業界の模倣品被害統計によると、昨年の被害総額は73億ユーロに達し、4年連続で70億ユーロを超えた。業界売上の3.2%に相当する額で、約3万3,000人の雇用が失われた計算だ。独機械メーカーの71%が被害に遭っている。
被害の種類ではブランドの模倣との回答が最も多く、51%に達した。前年の36%から15ポイントも増えている。2位は模造(49%)で以下、特許(46%)、デザイン(31%)、実用新案(24%)が続いた。
模倣品被害の対象で最も多いのは部品で、63%に上った。2位以下は製品の外観(61%)、機械全体(43%)、カタログ・小冊子・製品写真(42%)、交換部品(40%)だった。
「加害者は模倣品の作製に必要な情報をどこから得ましたか」との質問ではリバースエンジニアリング(機械の分解や観察を通した製品構造の分析)が67%で最も多かった。「特に情報がなくても模倣品を作れる」との回答は51%で、前年の35%から急増している。デザイン模倣の被害を受けた企業が増えたことが反映されたもようだ。産業スパイとの回答は14%だった。
模倣品の製造元国では中国との回答がこれまでに引き続きダントツで多く83%に達した。2位はドイツ(19%)、3位はイタリア(18%)、4位はインドとトルコ(11%)、6位は台湾(9%)、7位は韓国(8%)、8位はポーランド(7%)、9位はスペイン(4%)、10位は米国(3%)だった。
模倣品の販売ルートでは非正規の流通業者との回答が最も多く、54%(前年44%)に上った。2位のB2Bプラットホームは28%から40%へと急増。B2Cプラットホームも11%から14%へと増えており、インターネットを利用した販売への対策を強化する必要がありそうだ。正規販売店は20%で、前年の26%から減少した。