フォルクスワーゲン(VW)の高級車子会社アウディ(インゴルシュタット)は8日、現在販売中の「A6」と「A7」の一部モデルをリコール(無料の回収・修理)するとともに顧客への引き渡しを停止すると発表した。排ガスを違法に操作するソフトウエアの搭載が内部調査で確認されたことを受けた措置。ルパート・シュタートラー社長は「徹底解明は最重要課題だ」と述べ、違法ソフト搭載の有無をしらみつぶしに調べる意向を強調した。
違法ソフトの搭載が今回新たに見つかったのは欧州排ガス基準「ユーロ6」に対応した出力200キロワットの「V6 TDI Gen2 evo」ディーゼルエンジン搭載車。世界で約6万台が該当し、そのうち3万3,000台をドイツ登録車が占める。すでに独連邦陸運局(KBA)とルクセンブルクの陸運局に連絡を済ませており、ソフトの再インストールで対処する考えだ。
アウディはVWグループ車搭載の排ガス不正ソフトの開発で中心的な役割を演じていた。このため同不正問題の発覚後、同社開発の違法ソフトがグループのモデルに搭載されていないかを調べている。内部調査を通して明らかになった違法ソフト搭載車の総数は90万台を超える。