ヴォノヴィア―スウェーデン同業に友好TOB―

独住宅不動産最大手のヴォノヴィア(ボーフム)は3日、スウェーデン同業ヴィクトリア・パークを株式公開買い付け(TOB)で買収すると発表した。ヴィクトリアは米投資会社スターウッド・キャピタルの買収提案を拒否しており、ヴォノヴィアは白馬の騎士として名乗りを上げた。ヴィクトリアの取締役会が設置した独立委員会はヴォノヴィアの買収計画を全会一致で支持している。

ヴォノヴィアはヴィクトリアの普通株を現金38ユーロスウェーデンクローナで取得するほか、優先株を316スウェーデンクローナで買い取ることを株主に提案する。買収総額は95億5,500万スウェーデンクローナ(約9億ユーロ)で、スターウッドの同約8億ユーロを大きく上回る。普通株50%以上の確保をTOBの成立条件としている。

ヴィクトリアは首都ストックホルムとマルメー、イェテボリに計1万3,700件の賃貸住宅を持つ企業。同国の住宅不動産業界(公営企業を含む)で16位に付ける。

ヴォノヴィアはドイツを中心に計39万4,000件の賃貸住宅を持つ。買収を通して積極的に事業を拡大している。スウェーデンは規制と経済メカニズムがドイツに似ていることから、ヴィクトリアの買収を決めた。