ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した4月の乗用車新車登録台数は前年同月比8.0%増の31万4,055台と大幅に拡大した。今年は大型連休のイースター休暇が前年の4月中旬から3月末~4月初旬に移動し、営業日数が2日多かったことがプラスに働いた格好。1~4月の累計は前年同期比5.0%増の119万2,666台だった。
4月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車は124.4%増の3,171台と、これまでに引き続き大きく伸びた。環境対応車の購入補助金制度が奏功した格好。ハイブリッド車は69.8%増の1万858台で、同助成金の対象となるプラグインハイブリッド車は21.1%増の2,632台だった。
ガソリン車は19.1%増加し、シェアは前年同月の55.9%から61.6%へと大きく拡大した。排ガス性能の低い旧型ディーゼル車の市内乗り入れが制限される可能性があることから、ガソリン車の需要は拡大傾向にある。ディーゼル車は12.5%減少し、シェアは41.3%から33.4%へと低下した。ハイブリッド車のシェアは3.5%で、プラグインハイブリッド車は0.8%だった。電気自動車は同1.0%。
新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均130.4グラムで、前年同月を1.6%上回った。排気量が大きいSUVと、ディーゼル車に比べてCO2排出量が多いガソリン車の需要増が背景にある。SUVは新車登録が30.2%増え、シェアは16.4%に達した。SUVのシェアはコンパクトカー(21.8%)に次いで2番目に大きい。
マイカーとしての登録は19.3%増と大きく伸び、シェアは38.5%に上った。社用・公用車は2.0%増と小幅な伸びにとどまった。
ホンダが32%増加
伸び率が最も大きかったブランドはセアトで、前年同月比37.5%増の1万1,140台に拡大。ホンダも31.8%増の1,977台と30%台の伸びを記録した。プジョー(27.7%増の6,164台)、ダチア(26.3%増の6,657台)、DS(25.1%増の304台)、起亜(23.6%増の6,477台)、スマート(22.9%増の3,611台)は20%台の伸びで続いた。
スマート以外のドイツ車をみると、アウディが1.5%減の2万6,392台へと落ち込んだ以外はすべて増加した。フォード(14.8%増の2万4,571台)とVW(14.6%増の6万4,769台)は2ケタ台の伸びを記録。ミニは8.4%増の4,287台、メルセデスは7.7%増の2万9,112台、ポルシェは5.8%増の3,074台、BMWは4.8%増の2万1,079台、オペルは3.2%増の1万9,970台だった。
ホンダ以外の日本車ではトヨタが19.5%増の7,913台、マツダが10.0%増の5,090台と好調だったほか、レクサスも1.4%増の219台へと拡大した。スズキ(5.6%減の2,910台)、スバル(8.0%減の669台)、三菱(12.3%減の3,449台)、日産(23.1%減の3,744台)は前年同月を下回った。
日本車以外の主な輸入ブランドでは現代(19.4%増の1万20台)、ボルボ(12.7%増の3,450台)、シュコダ(12.5%増の1万7,075台)、シトロエン(11.8%増の4,851台)、ジープ(2.7%増の1,316台)が増加。ルノー(3.1%減の1万944台)、双竜(10.0%減の206台)、ジャガー(20.6%減の766台)、フィアット(24.6%減の7,967台)、アルファロメオ(26.1%減の451台)、ランドローバー(44.9%減の1,412台)、テスラ(46.2%減の106台)は減少した。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した4月の国内乗用車生産台数は48万7,600台で、前年同月を8%上回った。同輸出台数は11%増の38万1,000台。1~4月の累計は生産台数が前年同期比3%減の191万5,600台、輸出台数が3%減の146万7,200台だった。