シーメンス―電池新興企業ノースボルトと協業―

電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)は25日、リチウムイオン電池工場の建設を計画するスウェーデンの新興企業ノースボルトとパートナーシップを締結すると発表した。事業の全過程をデジタル化する技術を提供するとともに、ノースボルトを優先サプライヤーと位置づけて同社から電池を調達し自社製品に投入する。今回の協業でシーメンスは1,000万ユーロを出資する。

ノースボルトはスウェーデン北東部のシェルレフテオーに欧州最大規模のリチウムイオン電池セル工場を建設する。下半期に建設を開始。2020年に第1期の工事を終えると、年8ギガワット時(GWh)を生産できるようになる、23年に全体が完成すると生産能力は年32GWhに拡大する。

欧州では脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーの利用が拡大している。再生エネでは発電量を需要に合わせて調整できないことから、蓄電池が大きな意味を持つようになる。だが、電力コストの高い国で価格競争力のある電池セルを生産することは難しく、欧州には現在、巨大な電池セル工場が存在しない。

シーメンスは電池セルの開発から生産、サービスに至る全事業過程をデジタル化するソフトウエアを提供するとで、ノースボルトが柔軟性や効率性を高めコストを削減できるようにする考えだ。

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