電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)は23日、業務用不動産向けIoTシステムを手がける米スタートアップ企業エンライテッドを完全買収すると発表した。建造物のスマート管理分野でポートフォリオを拡充する考え。取引金額は公表しないことで合意した。第3四半期(7~9月)の買収手続き完了を見込む。シーメンスは次世代ビルオートメーションシステム(BAS)ソフトの米J2イノベーションズ買収を17日に発表したばかり。
エンライテッドは多機能センサーや分散コンピューティング、ソフトウエアからなる業務用不動産向けIoTプラットフォームを手がけている。センサーは建物内のライトすべてに取り付けられ、光、暖房、空調、人の動きなどのデータをリアルタイムで取得する。取得されたデータはクラウドに送信。その解析に基づいて照明、空調などの設備が自動的に制御されことから、コスト削減や室内の快適性の向上につながる。照明コストはLED照明と組み合わせることで最大85%削減できる。
エンライテッドはシーメンスの傘下に入ることで、技術革新を加速するとともに、事業の国際化を推進する考えだ。