半導体大手のインフィニオンや自動車大手アウディ、フラウンホーファー協会などドイツの産学15機関は25日、自動運転車をサイバー攻撃から守るための共同研究プロジェクトを立ち上げると発表した。自動運転車は交通の安全性を高めるなどメリットが大きいものの、車両のIoT化が前提となることから外部からの攻撃にさらされる危険が高まるという問題を抱えている。こうしたリスクの軽減技術を共同で研究することで実効性の高い防御技術を開発する考えだ。
「セキュリティ・フォー・コネクテッド・オートノモス・カーズ(SecForCARs)」というプロジェクトを立ち上げる。期間は3年。連邦教育・研究省から720万ユーロの助成金を受ける。
車車間・路車間通信をリアルタイムで行う自動運転車では膨大なデータが瞬時に処理され、車両の全機能が自動制御される。これに伴いセキュリティの要求水準も高まることから、今回のプロジェクトで新しい防御メカニズムの研究と評価を行う。具体的には◇セキュリティの高い車両をいかに開発するのか◇セュリティの脆弱性を見つけるテスト方法の開発◇セキュリティの脆弱性が見つかった場合、どうすれば速やかに除去できるのか――という問題に取り組む。
同プロジェクトには自動車大手のアウディと親会社フォルクスワーゲン(VW)、サプライヤー大手のインフィニオンとボッシュ、IT企業ESCRYPT、Itemis、ミックスド・モード、シュッツヴェルク、およびフラウンホーファー応用・統合セキュリティ研究所(AISEC)、フラウンホーファー・メカトロニクスデザイン技術研究所(IEM)、ベルリン自由大学、カールスルーエ技術・経済大学、ブラウンシュヴァイク工科大学、ミュンヘン工科大学、ウルム大学が参加する。インフィニオンは主導役を務める。VWは準パートナー。