ドイツ連邦統計局が8日発表した4月の輸出高(暫定値)は営業日数と季節要因を調整した実質で前月比0.3%減となった。輸出は昨年12月以降、3月を除いて前月を下回っており、不振は鮮明。1~4月の名目輸出成長率が前年同期の5.5%から4.4%へと低下したうえ、米国の保護主義をきっかけとする貿易摩擦が今後、一段と悪化する恐れもあることから、ドイツ商工会議所連合会(DIHK)は今年の輸出成長率を従来予測の6.5%から5.0%へと下方修正した。
4月の輸出高(名目)は前年同月比では9.3%増の1,103億ユーロと大きく伸びた。輸入高は同8.2%増の899億ユーロで、貿易収支の黒字幅は前年同月比14.6%増の204億ユーロへと拡大。経常黒字は35.9%増えて227億ユーロとなった。経常黒字が大幅に伸びたのは貿易黒字拡大のほか、居住者と非居住者との間の対価を伴わない資産の提供に係る収支状況を示す第二次所得収支の赤字幅が大きく縮小したため。
輸出を仕向け先地域別でみると、前年度月比の増加幅が大きかったのは欧州連合(EU)域外とユーロ圏で、それぞれ9.9%、9.6%に上った。EUのユーロ非加盟国は7.8%だった。
輸入はユーロ圏からが9.3%増加。EUのユーロ非加盟国とEU域外からも各8.1%、7.3%伸びた。
1~4月の輸出高は前年同期比4.4%増の4,383億ユーロだった。ユーロ圏向けが7.6%増加して全体をけん引。EUのユーロ非加盟国向けは3.3%増、EU域外向けは2.0%増だった。
1~4月の輸入高は4.4%増の3,575億ユーロで、輸入先地域別の伸び率はユーロ圏が5.8%、EUのユーロ非加盟国が4.3%、EU域外が3.2%だった。
1~4月の貿易黒字は808億ユーロで、前年同期から4.4%増加。経常黒字も11.3%増えて942億ユーロとなった。第二次所得収支の赤字幅は前年同期の251億ユーロから171億ユーロへと31.9%縮小した。