ドイツポスト(ボン)は8日、国内郵便・小包(PeP)部門の再編方針を発表した。郵便需要の減少と小包需要の拡大を背景に事業効率が悪化し利益が圧迫されているため。生産性の引き上げに向けた投資や人員整理を行うことから、同社は2018年の営業利益(EBIT)を従来予測の41億5,000万ユーロから32億ユーロへと大幅に引き下げた。17年実績(37億ユーロ)からは14%減少することになる。
電子メールなどの普及を受けて郵便需要は減少が続いているものの、稼働率が低下した郵便分野の集配センターなどを維持するための固定費にはこれまでメスを入れてこなかった。PeP部門の利益が今年第1四半期に大幅に悪化したことから、経営陣は固定費削減を決定。給与水準が高い公務員身分の従業員を、早期退職プログラムを通して削減する。ドイツポストはかつて国営企業だったため、公務員身分の従業員が現在も約3万人残っている。人員整理の費用は5億ユーロで、同社は20年までにコストを最低でも年2億ユーロ圧縮する考えだ。
小包事業はネット通販市場の拡大を受けて売上高が伸びているものの、人手と輸送能力の不足が足かせとなり、コストが膨らんでいる。この問題に対応するために同社は業務の自動化やデジタル化に1億~1億5,000万ユーロを投資。生産性を引き上げ、年間コストを1億5,000万~2億5,000万ユーロ押し下げる。
このほか、料金の値上げも実施する。これらの措置によりEBITを20年に50億ユーロ以上へと引き上げるとした目標を達成する考えだ。