樹脂レジ袋の使用量が2年連続大幅減

ドイツの樹脂製レジ袋消費量が昨年は24億枚となり、前年比で35%減少したことが、包装材市場調査会社GVMの調べで分かった。樹脂製レジ袋の削減に向けた連邦環境省と独小売業中央連盟(HDE)の協定が奏功した格好。消費量は一昨年も33%減少しており、使用削減に向けた欧州連合(EU)の目標をドイツはすでに達成した。

樹脂製のレジ袋は自然分解されにくく、廃棄されると海洋生物が誤食したり、残留性有機汚染物質による土壌・水質汚染を引き起こす。欧州委員会の調査では、北海の全鳥類の94%の胃にレジ袋のプラスチックが含まれていることが分かっている。

EUはこうした事態を深刻視。2015年3月にレジ袋削減に向けた指令を成立させた。EU域内の1人当たりの年間レジ袋使用量(厚さ50マイクロメーター未満)を2010年時点の推定198枚から20年に90枚、25年には40枚へと減らす目標だ。

独小売業中央連盟(HDE)はこうした事情を受けて16年、プラスチック製レジ袋を有料化する協定を連邦環境省と締結した。

今回の調査ではドイツの1人当たりの年間消費量が昨年は29枚となり、前年の45枚から16枚、減少したことが分かった。厚さ50マイクロメーター未満のものに限ると16年が38枚、17年が25枚と、EUの25年目標を16年時点ですでに達成している。

スヴェンヤ・シュルツェ連邦環境相はこれを受け、「使い捨ての樹脂袋は不要であることが明らかになった」と明言。今後は他の「不要な」包装材や使い捨ての樹脂製品についても使用を減らしていき、最終的には簡単にリサイクルできる樹脂だけを使用する社会を実現すると意欲を示した。

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