介護保険料引き上げの方向

ドイツのイェンス・シュパーン保健相は13日、介護保険料の引き上げ方針を明らかにした。2016年と17年に施行された改革の結果、介護保険財政が悪化しているためで、来年1月から労使折半の料率を0.3ポイント引き上げ、2.85%(子どもがいない人は3.1%)とする考えだ。公的健康保険の被用者負担は来年から引き下げられる見通しだが、介護保険料が引き上げられると負担額の減少幅は縮小することになる。

16年・17年の介護改革ではきめ細やかな介護を実現するために「要介護」の定義が見直されたほか、これまで不利に扱われてきた痴呆症などの精神的障害が肉体的障害と同等に取り扱われるようになった。これに伴い料率が17年1月付で0.2ポイント引き上げられ2.55%(子供がいない人は2.8%)となったものの、コストの上昇に収入の増加が追い付かないことから、保険料の引き上げが避けられない状況となっている。

保健省によると、介護保険の支出額は今年408億ユーロとなり、昨年に比べ23億ユーロ増加。支払い準備金の額は昨年末の70億ユーロから今年末には38億ユーロへと縮小する見通しだ。料率を引き上げなければ、準備金は法定の許容最低額を早ければ来年にも割り込む恐れがある。

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