欧州中央銀行(ECB)は14日の定例政策理事会で、ユーロ圏の国債などを買い入れる量的金融緩和を年内に終了することを決めた。ユーロ圏の景気回復が続き、物価の上昇が見込めると判断したためで、毎月の購入額を9月以降、これまでの半分の150億ユーロに削減したうえで、来年1月から購入を打ち切る。超低金利政策については少なくとも来年9月まで継続し、主要政策金利を0%、中銀預金金利をマイナス0.4%に据え置く。
ECBが量的緩和の打ち切りを決めたのは、景気と雇用の回復に伴って賃上げ圧力が強まり、今後は上昇が加速するとみているため。内部予測では18年の予想インフレ率を1.4%から1.7%へと引き上げた。
ユーロ圏には米国の保護主義政策、イタリアでのポピュリズム政権誕生といった不安要素もある。このためECBは量的緩和打ち切り後も当面は利上げを見送るのが適切と判断した。