ドイツのIfo経済研究所は22日、米国の今年第1四半期の経常収支が対欧州連合(EU)で24億ドルの黒字だったことを明らかにした。物品の輸出入の収支を示す貿易収支は赤字だったものの、サービスなど他の収支では黒字を計上しており、物品にサービスなどを加えた経常収支は黒字となった。Ifoのガブリエル・フェルベルマイル研究員は、米国の対EU経常収支はここ10年、黒字が続いており、2008年以降の累積黒字額は1,150億ドルに達すると指摘。通商紛争で米国が受ける影響はEUよりも大きいとの見方を示した。
Ifoは米商務省経済分析局のデータを独自に分析した。それによると、第1四半期の対EU貿易収支は380億ドルの赤字だった。
だが、対EUのサービス輸出高は600億ドルで、EUからの輸入(450億ドル)を約150億ユーロ上回った。また、対EU投資に伴う収入は1,070億ドルで、EUの対米投資に伴う収入(790億ドル)をおよそ270億ドル上回った。
米国の経常収支はEU以外の地域も含めると970億ドルの赤字で、前年同期の850億ドルから膨らんだ。同研究員はこれについて、原因は関税や非関税障壁でなく米国の過剰消費にあると指摘した。