高級車大手の独ポルシェ(シュツットガルト)は19日、クロアチアの高級電気自動車(EV)スポーツカーメーカーのリマック・オートモビーリ(Rimac)と開発事業で提携すると発表した。リマックの発想や取り組みを高く評価し、電動化戦略の一環として戦略提携を決めた。同社株を10%取得する。取引額は明らかにされていない。
リマックはマテ・リマック社長(30)が2007年に設立したスタートアップ企業。EVスポーツカーのほか、高電圧バッテリー、駆動システム、ヒューマンマシンインターフェース(HMI:タッチパネルなど)に重点を置く。EVバイク事業を含む従業員数は400人弱。中国バッテリー大手の駱駝集団とも提携する。
今春のジュネーブ・モーターショーで発表したEVスーパーカー「コンセプトツー(Ctwo)は、出力2,000馬力(PS)、最高時速412キロメートル、航続距離650キロメートル(欧州の標準試験モードNEDC基準)で、250キロワットの急速充電システム採用により30分でバッテリー容量の80%の充電が可能だ。3月に世界限定150台で予約販売され、170万ユーロという価格にもかかわらず、3週間でほぼ売り切れた。
自動車市場は電動化に伴い、新参企業が自動車大手の無視できない競争相手となっており、ポルシェの「911ターボS」より価格の安いテスラ「SP100D」のほうが加速性能で優れているというような状況も出ている。
ポルシェは来年から初のEVモデル「タイカン」を量産する予定だ。