クノールブレムゼ―今秋IPOか―

ブレーキ大手の独クノールブレムゼ(ミュンヘン)が新規株式公開(IPO)を実施する方向で準備を進めているもようだ。ブルームバーグ通信が消息筋の情報として報じた。最終決定は下していないものの、市場環境などを踏まえて第3四半期にIPOを実施するとみられる。

クノールは1905年創業のオーナー企業で、事業家のハインツヘルマン・ティーレ氏と娘のユリア・ティーレシュルホフ氏が全株式を保有している。同通信によると、フランクフルト市場で9月にIPOを行う方向。最大25%の株式を売り出す。時価総額は最低でも100億ユーロに上る推測されている。

IPOは77歳のティーレ氏が保有株をティーレシュルホフ氏に譲渡する計画「プロジェクト・ゴール」の一環として検討されている。背景にはティーレシュルホフ氏がティーレ氏の全保有株を相続した場合、相続税負担が重くなりすぎるという事情があるという。

これらの事情を知った競合の独ZFフリードリヒスハーフェンやコンチネンタルはクノールへの出資などに向けてティーレ氏と協議したが、進展しなかったもようだ。3社は報道内容へのコメントを控えている。

クノールの昨年の売上高は62億4,000万ユーロで、純利益8億5,000万ユーロを計上した。

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