ドイツテレコムの企業向けITサービス子会社Tシステムズ(フランクフルト)が大規模な人員整理に踏み切る。競争激化を背景に顧客の減少に歯止めがかからないためで、2020年末までに全世界の従業員3万7,000人のうち1万人を削減する計画だ。Tシステムズのアデル・アルサレー社長が21日の従業員集会で明らかにした。
同社はドイツ最大のITサービス事業者。近年はシステム統合、アウトソーシングなど従来型ITサービス事業の不振で業績が悪化している。
特にドイツ本国の事業が振るわないことから、同国の従業員1万7,800人のうち6,000人を整理する。国内の約100都市に計230カ所ある事業拠点を20カ所未満へと大幅に削減。業務の自動化、デジタル化も積極的に推し進める考えだ。
事業の国外移管も行う。その関係でハンガリー、スロバキア、インドでは従業員を増やす考えで、インドの従業員数は数百人から数千人へと拡大する。
これらの措置により20年に黒字転嫁を果たし、21年以降はコストを年6億ユーロ圧縮する。