自動車ドライバーの会員制サポート組織である全ドイツ自動車クラブ(ADAC、ミュンヘン)は6月29日、保険大手チューリヒと共同運営する自動車保険の合弁会社ADACアウトフェアジッヒャルングからチューリヒが撤退すると発表した。チューリヒは2019年末で失効する合弁契約を更新しない。同社に代わって独保険大手アリアンツが同合弁の新たな出資者となる。
ADACアウトフェアジッヒャルングはADACとチューリヒが2007年に設立した。出資比率はチューリヒが51%、ADACが49%。保険契約件数は65万件強に上る。
アリアンツはチューリヒの保有株51%を譲り受け、20年1月1日から同合弁の共同出資者となる。取引の成立には独禁・金融監督当局の承認が必要。
アリアンツの独自動車保険契約件数は850万件で、最大手HUK(同1,160万件)に次ぐ2位につけている。かつては最大手だったが、ネット保険で出遅れたことから10年に首位を明け渡した。ADACアウトフェアジッヒャルングの経営権を握ることでHUKを追い上げる考えだ。