ドイツ連邦統計局が9日発表した5月の輸出高(暫定値)は前年同月比1.3%減の1,091億ユーロとなり、2カ月ぶりに落ち込んだ。欧州連合(EU)域外向けが6.4%減少して足を強く引っ張った格好。EU向けはユーロ圏が0.1%増、ユーロ非加盟国が6.5%増とともに拡大した。
輸入高は894億ユーロで、前年同月を0.8%上回った。EUのユーロ非加盟国からが7.0%増加。ユーロ圏からも0.6%伸びた。EU域外からは1.9%減と振るわなかった。
貿易収支の黒字幅は197億ユーロで、前年同月を2.1%下回った。また、経常黒字は17.1%減の126億ユーロと大きく落ち込んだ。貿易黒字減少のほか、対外金融債権・債務から生じる利子・配当金などの収支状況を示す第一次所得収支の赤字幅拡大が響いた。
1~5月の輸出高は5,474億ユーロで、前年同期を3.2%上回った。ユーロ圏とEUのユーロ非加盟国向けがそれぞれ6.0%、4.0%増加。EU域外向けは0.2%増と小幅な伸びにとどまった。
1~5月の輸入高は前年同期比3.8%増の4,475ユーロだった。増減率を輸入先地域別でみると、ユーロ圏が4.9%増、EUのユーロ非加盟国が5.0%増、EU域外が2.2%増だった。
1~5月の貿易黒字は999億ユーロで、前年同期を0.7%上回った。経常黒字は8.8%増の1,074億ユーロ。居住者と非居住者との間の対価を伴わない資産の提供に係る収支状況を示す第二次所得収支の赤字幅が260億ユーロから170億ユーロへと大幅に縮小したことが大きい。サービス収支の赤字も58億ユーロから28億ユーロへと狭まった。第一次所得収支は182億ユーロの黒字となったものの、黒字幅は前年同期の219億ユーロから縮小した。