グラマー―筆頭株主がTOB成立条件引き下げ―

自動車シート大手の独グラマー(アムベルク)は18日、筆頭株主である中国の車両内装部品メーカー寧波継峰汽車零部件が同社を対象に実施している株式公開買い付け(TOB)の条件を変更したと発表した。TOBの成立に必要な持ち株比率を引き下げるとともに、同終了期日を23日から8月6日へと2週間、延長した。

グラマーに対してはボスニアの事業家ハスター家が乗っ取りを目指していることから、グラマーは昨年2月に寧波継峰と戦略提携合意。寧波継峰は同5月に株式を取得した。その後、出資比率を引き上げていき、今年6月25日にTOBを開始した。

TOB価格は1株当たり61.25ユーロで、グラマーを約7億7,200万ユーロと評価した格好。寧波継峰はグラマー株をすでに25.51%保有しており、同50%プラス1株以上への引き上げをTOBの成立条件としていた。今回これを36%プラス1株以上へと引き下げた。寧波継峰はこれについて、36%強を保持していれば株式総会で出席株主の過半数を確保できるためと説明している。ただ、TOBの最中に成立条件を引き下げ、期限も延長するのは通常、買い付け提案に応じる株主が少ない場合に限られることから、50%超の確保が難しいと判断したとみられる。

寧波継峰は23日、グラマー株36%超を20日時点で確保したことを明らかにした。同日までに12.1%の株主がTOBに応じたとしている。

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