ギーゼッケ・アンド・デブリエント―バングラ政府から大型受注―

紙幣などの特殊印刷を手がける独ギーゼッケ・アンド・デブリエント(G&D、ミュンヘン)は19日、子会社フェリドス(Veridos)がバングラデシュ内務省移民・パスポート局からパスポート作成などの業務を受注したと発表した。受注額は同社史上最大の3億4,000万ユーロで、契約期間は12年。最新の電子パスポートを作成するほか、パス製造装置と自動出入国審査システム(Eゲート)を納入する。

バングラデシュは人口が1億6,000万人強で、世界で8番目に多い。G&Dのラルフ・ヴィンターゲルスト社長は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、電子パスポートは今日、国民が全世界を支障なく旅行するために必要不可欠な存在となっていると指摘したうえで、「アジアとアフリカの多くの国はデジタル化を最優先課題に設定している」と述べ、電子パスポートの受注を他の国でも獲得することに意欲を示した。

フェリドスはG&Dがドイツ国営の連邦印刷会社(Bundesdruckerei)と2015年に共同設立した合弁会社で、出資比率はそれぞれ60%、40%となっている。G&Dと連邦印刷会社は欧州連合(EU)市場で競合しているものの、EU域外ではフェリドスを通して協働している。

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