独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のモビリティサービス子会社モイア(Moia、ベルリン)が、アプリを用いた新規の相乗りサービスを独北部のハノーバーで31日から開始する。同市でこれまで展開してきた試験的な相乗りサービスが好評だったことから、規模を拡大して継続することにした。
モイアは昨年10月、相乗りソフトの改善に向けたテストをハノーバーで開始した。車両は当初25台で、現在は35台まで拡大。利用者数は3,500人に上る。
利用者は専用のアプリで近場の「仮想停留所」まで車両を呼び寄せて乗車する。車両は乗客の乗車・降車地点をもとにアルゴリズムで走行ルートなどを決定する。
31日からは投入車両を増やしていき、2020年夏までに150台へと拡大。利用者数も差し当たり1万5,000人が新たに利用できるようにする。年末までにすべての市民が利用できるようにする考えだ。利用可能な地域は約90平方メートルで、市民の75%が住む地域をカバーする。
同サービスの拡大で交通に悪影響が出ないことが確認された場合は、投入車両数を250台へと増やすとともに、市内全域で利用できるようにする。
車両は当面、ガソリン車に限られるものの、電動車の投入も視野に入れている。
料金は明らかにしていない。これまでのテストでは乗車距離1キロにつき1人6セントにとどめていたが、今後は引き上げて公共交通機関とタクシーの中間レベルに設定する。料金には曜日や時間帯、需要と供給も反映させる考えだ。透明性は保つとしている。