新車の車両税負担が9月1日以降、ドイツで増加する見通しだ。新しい排ガス基準が同日から適用される結果、同じ車両であっても車両の二酸化炭素(CO2)排出値が上昇。CO2の排出量にもとづく税金負担が膨らむことになる。ドライバーのサポート組織である全ドイツ自動車クラブ(ADAC)が独自テストのデータをもとに明らかにした。
欧州連合(EU)では排ガス規制が強化され、昨年9月1日以降に型式認定を受ける乗用車は実際の走行に近い排ガスデータが得られる台上試験「世界統一試験サイクル(WLTP)」と、実際に道路を走る際の排ガス量を測定する「実走行排ガス試験(RDE)」の2試験をクリアしなければならなくなった。今年9月1日以降に新車登録される車両はWLTP、来年9月1日以降に新車登録される車両はWLTPとRDEの両方に合格しなければならない。
両テスト方式は従来の試験方法である「新欧州ドライビングサイクル(NEDC)」に比べ測定の精度が高い。このため同じ車両であってもCO2排出量の検査値がNEDCよりも高くなる。
ドイツでは乗用車の車両税がCO2排出量にもとづいて課されることから、WLTPのクリアが義務づけられる9月1日以降の新車は税額が高くなる。
ADACが提示したリストによると、税負担の増加率が最も大きいのはプジョー「508 1.6 Pure Tech 180 Allure EAT8」だ。走行1キロメートル当たりのCO2排出量(検出値)はNEDCの125グラムから159グラムへと拡大。税額は92ユーロから160ユーロへと73.9%膨らむことになる。VW「up! GTI」も72.0%増の86ユーロへと大きく拡大する。スズキ「Swift Sport 1.4 Boosterjet」は22.7%増の108ユーロ、スバル「Outback 2.5i Sport Lineartronic」は28.1%増の246ユーロと増加幅が比較的小さい。