自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)は8月31日、ガーナとナイジェリアに組立工場を建設することで両国政府と基本合意したと発表した。同社はサハラ砂漠以南の「サブサハラ」市場を本格開拓する方針を2017年に打ち出しており、これに基づいて今回の取り決めを行った。メルケル首相のアフリカ訪問に合わせて覚書に調印した。
両国で車両のノックダウン生産を行う。VWは1951年、南アフリカで生産を開始。2015年と16年にはナイジェリア、ケニアでもそれぞれノックダウン生産に乗り出した。ノックダウンはルワンダでも最近、開始している。
ガーナでは車両を生産するほか、販売・サービス網、および生産とアフターセールスのための研修機関も開設する。また、カーシェアリングやライド・ヘイリングを含む総合的な移動サービスの実行可能性調査を行う。同国政府はその見返りとして、自動車生産促進に向けた産業政策を行う。
ナイジェリアでは自動車生産を段階的に拡大する。また、従業員の研修機関をドイツ政府と共同で構築する。長期的には同国をアフリカ西海岸地域のハブ拠点とする考えだ。
ナイジェリア政府は自動車部品関税引き下げなどの産業政策を実施。中古車の輸入国から新車の製造国への脱皮を目指す。