ノバルティス―開発中の抗生物質を売却―

スイス製薬大手のノバルティス(バーゼル)は3日、開発中の抗生物質3種類を米同業ボストン・ファーマシューティカルズに売却すると発表した。ノバルティスは経営資源の絞り込み戦略を打ち出しており、その一環として今回の取引を行う。取引金額は公表しないことで合意した。

ボストン・ファーマシューティカルズに譲渡するのは既存の抗生物質が効かない多剤耐性グラム陰性菌を対象とする新タイプの抗生物質3種類。そのうち「LYS228」と「IID572」はカルバペネム系抗生物質に対し耐性を持つカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、「MAK181」はシュードモナス属の菌を対象としている。

ノバルティスはボストン・ファーマシューティカルズから前金のほか、所定の開発段階に到達したときに支払われるマイルストーン、上市後の医薬品販売高の一部(ロイヤルティ)を受け取る。また、譲渡する3種類の薬剤の開発を引き受けるボストン・ファーマシューティカルズの子会社2社に資本参加する。出資比率は明らかにしていない。

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