フォルクスワーゲン―ボルボのテレマティクス子会社を買収―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(ヴォルフスブルク)は12月19日、スウェーデン競合のボルボからテレマティクス子会社ワイヤレスカーを買収することで合意したと発表した。コネクテッドカーサービスの導入に向けた措置。ワイヤレスカーはVWの同サービスで米マイクロソフト、独ディコニウムに次ぐ3社目の主要技術パートナーとなる。

VWはワイヤレスカー株75.1%を譲り受ける。取引金額は非公開。独禁審査を経て買収手続きが今年上半期に完了すると見込んでいる。

ワイヤレスカーは1999年の設立で、2007年にボルボの完全子会社となった。従業員数は約370人。独自のプラットホームとデジタルサービスを提供しており、世界の様々なメーカーの車両およそ350万台が同社のプラットホームでネットワーク化されている。

VWは20年から、主力のVWブランド乗用車ですべての車両をコネクテッドカーとし、VW車の利用者が例外なくデジタルサービスを受けられるようにする計画を昨年8月に打ち出した。9月にはIT大手マイクロソフトと戦略協業合意。マイクロソフトのクラウド プラットホーム「アジュール」をベースにVWの専用クラウド「ワン・デジタル・プラットホーム」を開発していくことを取り決めた。

11月には中堅IT企業ディコニウムに49%出資することで合意した。ディコニウムとは同プラットホーム上で顧客に提供するデジタル商品やサービスを共同開発する。

ワイヤレスカーは車載システムと同プラットホーム間のデータ通信が安全かつ安定的に行われるようにする。

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