積水化成品工業は12月19日、ドイツなど欧州6カ国に製造拠点を持つプロシート・グループをベルギーの樹脂部材メーカー、レクティセルから買収することで合意したと発表した。欧州で自動車向け事業を強化する狙い。各国独禁当局の審査を経て買収手続きが今年3月までに完了すると見込んでいる。
完全子会社積水プラスティックス・ヨーロッパ(SPEG、独ミュンヘン)を通してプロシート・グループ8社を買収する。SPEGは8社の全資本を取得するものの、レクティセルがSPEG株25%を取得することから、積水化成品が取得するプロシートの株式は実質的に75%となる。買収金額は3,050万ユーロ(約40億円)。積水化成品はSPEG株25%をレクティセルから買い取る権利、レクティセルは同25%を積水化成品の売却する権利をそれぞれ持っており、これらの権利が行使されると、積水化成品はSPEGを再び100%子会社化することになる。
プロシートはシート用クッション材、ヘッドレスト、発泡成形品などの自動車部材を製造する独立系の企業。ドイツ、フランス、英国、スペイン、チェコ、ポーランドの6カ国に製造拠点を持ち、欧州自動車メーカーに製品を供給している。
積水化成品はこれまで、樹脂発泡体の主力製品「ピオセラン」を日本とアメリカ大陸の自動車メーカーに供給してきた。今後は欧州メーカーも顧客として獲得していくために、プロシートを傘下に収める。