イオンは12月21日、欧州最大のスポーツ用品専門電子商取引(EC)プラットホーム運営事業者である独シグナ・スポーツ・ユナイテッド(SSU)に資本参加すると発表した。事業のデジタル化を加速する戦略に基づく措置で、SSU株7.5%を取得する。出資額は明らかにしていない。
SSUは独デパート大手カールシュタットを傘下に持つ墺持ち株会社シグナの子会社で、従業員数は1,400人。世界17カ国で約80のネットショップを運営し、自転車やテニス、アウトドア用品などを取り扱っている。自動化された物流システムや、人工知能(AI)を活用した最適な価格設定のノウハウ、ウエアのパーソナルカスタマイズなど高い顧客提案力を持つ。
イオンは2017年12月に打ち出した中期経営方針のなかで、これまで実店舗中心だった投資の軸足をIT・デジタル・物流分野に移す戦略を打ち出した。SSUへの出資を通してAI活用の商品提案のノウハウやビジネスモデルを吸収する考えだ。
SSUは今回、イオンとタイ小売大手セントラル・グループを対象に第三者割当増資を実施。セントラルはSSU株4%を取得する。SSUは両社と戦略提携し、スポーツ用品EC市場が急速に拡大するアジアで事業を構築していく。