新薬の独市場投入件数、昨年は36件に増加

研究開発型製薬工業会(VfA)によると、2018年に独市場に新規投入された特許薬(新薬)の件数は36件となり、前年を4件上回った。増加は2年連続。希少疾患用医薬品は16件と、前年の10件から大幅に拡大した。

希少疾患は患者数の少ない疾患。欧州連合(EU)では人口1万人当たりの罹患者数が5人以下の病気と定義されていることから、域内の患者総数は最大でも25万6,000人にとどまる。ドイツに昨年投入された希少疾患医薬品のなかにはEUの患者数が合わせて約5,000人の「アルファ・マンノシドーシス(特定の酵素の欠損が原因で起きる疾患で、免疫不全、顔貌や骨格の異常、難聴、精神発達遅滞などを引き起こす)」と、同100人未満の「スライ症候群(先天性代謝異常症の一種)」が含まれる。

新規特許薬の件数が最も多かった疾患分野はがんで、全体の3分の1に当たる12件に上った。そのうち2件は、患者から採取した免疫細胞(T細胞)に遺伝子操作を加えてがん細胞を攻撃させる「キメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T)療法」。投薬前に患者の遺伝子検査を行って薬効を確認するタイプの医薬品も5件と多かった。

2位は二型糖尿病などの代謝異常症で10件に上った。3位は感染症と炎症(免疫システムの異常)でともに4件だった。(下のグラフ参照)

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