バイオ医薬品開発の独ビオンテック(マインツ)は23日、事業提携先の独MABディスカバリーから抗体産生事業を譲り受けることで合意したと発表した。医薬品として用いられるモノクローナル抗体候補の産生効率を高めることが狙い。買収金額は明らかにしていない。3月末の買収手続き完了を見込む。
ビオンテックはDNA(遺伝情報を保持する物質)の情報を写し取るメッセンジャーRNA(リボ核酸)をベースに、ワクチンを作製する企業。オーダーメードのがんワクチンと感染症予防のワクチンを開発している。MABとは5年以上、提携関係にあり、MABが産生した抗体にさらなる開発の手を加えて医薬品開発に活用してきた。
今回の契約ではMABの抗体産生事業が持つ全資産と従業員、ノウハウを取得する。
モノクローナル抗体は免疫細胞の一種であるB細胞が作り出す抗体。がんやウイルスなどの抗原と結合して攻撃することから、医薬品として利用されている。