レーベ―食品卸のレッカーランドを完全買収―

食品小売大手の独レーベ(ケルン)は5月28日、食品卸大手の独レッカーラントを完全買収することで合意したと発表した。外出先で軽食や飲料を購入する消費者が増えていることから、両社の強みを生かしてコンビニ事業を強化する意向だ。買収金額は非公開。メディア報道によると、10億ユーロ未満にとどまるもよう。独禁当局の承認を経て傘下に収める。

レッカーラントはガソリンスタンドやキオスク、コンビニエンスストア、パン屋などに軽食を卸す事業を欧州7カ国で展開している。顧客数は約9万1,000店。従業員数は4,900人で、昨年は124億ユーロを売り上げた。日本たばこ産業は海外販売子会社JTIを通して同社に25.1%出資している。

レーベは2014年、独ガソリンスタンド大手アラールの直営スタンド10カ所にコンビニエンスストア「REWE ToGo」を設置するパイロットプロジェクトを開始。高い成果が上がったことから16年には同事業を本格化した。REWE ToGoを現在、アラールのスタンド465カ所のほか、人通りの多い駅や都市中心部など18カ所で展開している。

レッカーラントを買収することで、同社は物流、卸売分野のノウハウを獲得し、コンビニ事業を加速させる意向だ。

アラールはもともと、レッカーラントから商品を仕入れていたが、レーベとの提携に伴いレッカーラントとの取引を打ち切った。その影響もありレッカーラントの業績は縮小しており、昨年は売上高が3%減少。営業利益(EBIT)は11%減の9,270万ユーロへと落ち込んだ。EBITは今年も減少する見通しだ。

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