ドイツ連邦統計局が19日発表した5月の生産者物価指数は前年同月比1.9%増となり、上げ幅は前月の同2.5%から大幅に縮小した。上昇率は昨年4月以来13カ月ぶりの低水準。エネルギーの上げ幅が前月の6.6%から4.5%に低下したことが反映された。エネルギーを除いた生産者物価は前年同月比で1.1%の上昇だった。
エネルギーでは電力の上昇率が大きく、9.2%に上った。電力公社などの配電事業者向けが19.4%、特別契約顧客向けが5.9%高くなった。一般世帯向けは3.4%の上昇だった。
石油製品は2.8%増で、上げ幅は前月の5.8%を大幅に下回った。液化石油ガスが2.5%下落。房用灯油は1.0%増とどまった。軽油は2.1%増だった。
天然ガスは2.7%増で、上げ幅は前月(6.1%)の半分以下にとどまった。発電所向けが7.3%、産業向けが2.5%それぞれ低下し全体を強く押し下げた。再販売事業者向けは4.1%上昇した。
非耐久消費財は1.9%増となり、上げ幅は前月の1.5%から拡大した。食料品の上昇率が1.8%から2.3%へと加速したことが大きい。豚肉と加工済みじゃがいもはそれぞれ21.4%、15.7%高くなった。バター(24.2%減)、砂糖(16.1%減)、コーヒー(4.1%減)は前年同月を割り込んだ。
中間財は0.5%上昇した。穀物粉が8.7%、コンクリート・セメント・石膏が4.6%の伸びを記録。金属二次原料は9.1%減、非鉄金属は4.0%減と大きく落ち込んだ。
耐久消費財は1.4%、投資財は1.6%の幅で上昇した。
5月の生産者物価指数は前月比では0.1%減となり、2カ月ぶりに落ち込んだ。エネルギーが0.6%下落。エネルギーを除いたベースでは物価に変動がなかった。中間財は0.3%減、投資財は0.1%増、耐久消費財は横ばい、非耐久消費財は0.4%増だった。