製薬大手の仏サノフィ(パリ)が糖尿病治療の研究開発(R&D)を行う独フランクフルトの拠点で人員削減を実施する。主力製品「ランタス」の売り上げが急速に落ち込んでいるほか、R&Dの軸足を収益力の高いがん治療薬、免疫治療分野に移していることが背景にある。『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が報じたもので、広報担当者は人員整理を行うことを認めた。
サノフィはフランクフルトのヘキスト工業団地を糖尿病薬事業の統括拠点としている。雇用規模は3,000人。FAZ紙によると、同社は研究開発要員144人の整理方針を19日の従業員集会で明らかにした。
一方、広報担当者は人員削減に向けた交渉を従業員代表と今後、行うことを明らかにしたうえで、最終的な削減規模は交渉次第だと回答した。
ランタスは世界的に需要の大きい製品で、ピーク時の売上高は60億ユーロを超えた。だが、4年前に米国特許が失効して以降、売り上げは急減。今年は半額の30億ユーロ程度に落ち込むと予想されている。