独電気電子工業会(ZVEI)が9日発表した独業界の5月の新規受注高は前年同月比2.2%減となり、これまでに引き続き落ち込んだ。ユーロ圏外からの受注が12.3%減と大幅に縮小。ユーロ圏(ドイツを除く)も2.6%後退した。国内は3.9%増だった。
1~5月の新規受注高は前年同期を2.2%割り込んだ。ユーロ圏外が5.4%、ユーロ圏が1.7%の幅で減少。国内は5月が好調だったことから0.3%増となり、拡大へと転じた。
5月の業界生産高は前年同月を物価調整後の実質3.5%上回った。1~5月は前年同期を1.1%割り込んだ。
6月の生産計画(先行き3カ月)で拡大を予定する企業の割合は前月の19.3%から10.8%へと低下した。縮小も同20.2%から15.9%へと減ったものの、拡大から縮小を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI)はマイナス0.9ポイントからマイナス5.2ポイントへと悪化した。
同DIが2ケタ台のマイナスとなったのは電線(-40.4ポイント)、電子部品(-25.1ポイント)、電気駆動装置(-20.3ポイント)、配線システム(-15.9ポイント)の4部門。鉄道車両は(+100.0ポイント)は全企業が生産拡大と回答した。このほか、照明(+27.8ポイント)、白物家電(+19.6ポイント)、通信機器(+19.6ポイント)、情報機器(+18.2ポイント)でDIが2ケタ台に上った。
5月の業界売上高は160億ユーロで、前年同月を4.1%上回った。ユーロ圏が8.9%増の32億ユーロ、国内が4.6%増の74億ユーロと平均を上回る伸びを記録。ユーロ圏外も1.1%増えて54億ユーロとなった。
1~5月の業界売上高は786億ユーロで、前年同期を1.6%上回った。国内が1.5%増の369億ユーロ、ユーロ圏が3.0%増の155億ユーロ、ユーロ圏外が1.2%増の262億ユーロと3地域すべてで拡大した。
6月の業界景況感指数は前月の4.7から1.9へと下落し、2カ月ぶりに落ち込んだ。現状判断と今後6カ月の見通しがともに悪化。今後6カ月の見通しではDIがマイナス12.4ポイントからマイナス15.8ポイントへと低下した。
景況感指数が特に良好だったのは景気変動の影響が小さい医療機器と、スイッチ・開閉装置・産業用制御機器、情報機器、自動化機器。電線と電気駆動装置、白物家電、電子部品は振るわなかった。