ドイツ連邦統計局は11日、6月の消費者物価統計の詳細を発表した。それによると、インフレ率(ドイツ基準)は前年同月比が1.6%、前月比が0.3%で速報値と変わりがなかった。エネルギーは前年同月比2.5%増となり、上げ幅が前月の同4.2%から縮小。エネルギーを除いたインフレ率は1.6%だった。
エネルギーでは地域熱が5.6%、天然ガスが4.1%、電力が3.4%上昇。自動車燃料ではハイオクガソリンが2.3%高くなったのに対し、軽油は1.9%下落した。暖房用灯油は3.5%低下した。
食料品の上げ幅は1.2%で、前月の同0.9%をやや上回ったものの、これまでに引き続き低水準にとどまった。野菜が9.6%上昇したのに対し、果物は6.1%下落。食用油脂は9.3%落ち込んだ。
エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は1.6%だった。
食料品以外の消費財では雑誌(4.6%増)、たばこ(3.4%増)で上昇率が大きかった。電気製品はこれまでに引き続き大きく低下しており、下落幅は電話機で6.9%、娯楽家電で6.1%に上った。
消費者物価に占める比重が53%に上るサービスは1.9%増となり、上げ幅は前月の同1.2%増から大幅に拡大した。今年6月は移動祝日の関係でパック旅行が6.1%上昇。全体が強く押し上げられた。このほか自動車整備・修理(4.7%増)と電車乗車券(3.6%増)、飲食(2.8%増)で上昇率が大きかった。
前月比ではエネルギーが1.1%下落した。暖房用灯油が7.3%、軽油が3.2%、ハイオクガソリンが1.5%の幅で低下し、全体を強く押し下げた。
エネルギー以外では夏物バーゲンのスタートを受けて衣料品・靴が1.7%落ち込んだ。野菜も1.1%下落している。
一方、祝日配置と夏休みの開始を受けて旅行関係の価格は上昇。上げ幅はパック旅行で18.6%、航空券で2.6%、電車乗車券で1.6%、宿泊で0.9%に上った。
欧州連合(EU)基準のインフレ率については速報値を修正した。前年同月比を当初の1.3%から1.5%、前月比を同0.1%から0.3%へと引き上げている。