独高級乗用車3社の上半期(1~6月)販売統計が12日、出そろった。世界経済の減速や通商摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる混乱など厳しい状況のなかで、BMWは新モデル投入の効果でプラス成長を確保。ダイムラーの乗用車ブランド「メルセデスベンツ」とフォルクスワーゲン(VW)の高級車子会社アウディに差をつけた。販売台数ではメルセデスベンツが首位を堅持した。
「BMW」ブランドの販売台数は前年同期比1.6%増の107万5,959台となり、上半期の最高を更新した。世界的に人気が高いSUV分野でのモデルチェンジが奏功。SUVのXシリーズは23.1%の伸びを記録した。BMWに「ミニ」と「ロールスロイス」ブランドを加えたBMWグループ全体の乗用車販売台数は0.8%増の125万2,837台で、ミニは3.9%減の17万4,344台、ロールスロイスは42.3%増の2,534台だった。グループが販売した電動車は5万9,593台で、前年同期を1.8%下回った。
BMWとミニの合計販売台数を地域別でみると、アジアは中国が16.8%増と好調だったことから、6.9%増と高い伸びを記録した。その他の主要地域はすべて販売減となった。
メルセデスベンツの販売台数は4.6%減の113万4,729台へと落ち込んだ。SUVのモデルチェンジを間近に控えていることが響いた。中国販売は34万4,657台で、前年同期を1.3%上回った。
メルセデスベンツに超小型車ブランド「スマート」を加えた「メルセデスベンツ・カーズ」の乗用車販売台数は4.7%減の119万5,047台。スマートは8.1%減の6万318台と大きく落ち込んだ。
アウディの販売台数は4.5%減の90万6,200台で、これまでに引き続き高級車3位にとどまった。販売規模の大きい車両のモデルチェンジと、EUの排ガス検査方式変更への対応の遅れが販売減の主因。主力の欧州販売が4.5%減の41万9,450台へと後退し、米国も6.0%減の10万1,440台と振るわなかった。中国は1.9%増の31万2,502台となり、過去最高を更新した。
3社の販売に占める中国の割合はこれまでに引き続きアウディが最も高く、34.5%に達した。メルセデスベンツは30.4%、BMW/ミニは28.0%だった。